ViVoDa 6月号 5thライブ前特集

1月号から始まった「アイドルは一人にしてならず」をテーマに番組ディレクターや会場スタッフ、ヘアメイクなど周囲の人にインタビューを行っている本企画、今回は765プロダクション所属アイドル、ジュリアさんの私設ファンクラブ創設メンバーのNさんにお話を伺いました。

「ステージで歌っているとき、その瞬間だけは疑いようもなく彼女は無敵だと思った」

――創設のきっかけやジュリアさんに惹かれたところを教えてください。
惹かれたところっていうと、やっぱりパフォーマンスですね。実を言うともともとアイドルに興味がある方ではなくて、彼女を初めて見たのは人付き合いで付いていったときなんですよ。今となってはなんでこんなこと思ってたんだと恥ずかしくなるんですけど、当時はアイドルに対して「まぁかわいいんじゃないの」だとか「声の伸びはフツウよりはいいんじゃない」だとか「結局は若さと可愛さだけでしょ」みたいなふうに思っていたことがあったんですよね。でも、そんなつまらない考えが一瞬にして吹き飛ばされたんですよ。コイツはとんでもねえヤツだぞ……! って。
――「とんでもねえ」というと、やはりギターでしょうか。
まさにそうです。思いもよらないところで思いもよらないものが出てきて、不意打ちというか油断していたところにガツンとモロに食らいましたね。アイドルのステージで、ああいうこともやっていいんだって衝撃を受けました。それ以降アイドルはステージを見てから判断するようになったんですよ。
――それはなぜですか?
ステージで歌っているとき、その瞬間だけは疑いようもなく彼女は無敵だと思ったんですよね。くだらないウワサや些細なトラブル、スキャンダルすら敵いっこないだろうって。でも少し考えてみれば当然のことなんですよね。彼女たちは青春、あるいは人生と言ってもいい。その貴重な時間を全て賭けて勝負しているんですよ、だから馬鹿になんてできっこない。そんな中で彼女はギターを手に歌っているんですよ、多くのアイドルが居る中で。ひときわ異質な武器を持って立ち向かっていっている、かっこいいじゃないですか。だから好きになって、彼女を多くの人に知ってもらいたいというか、見せつけたいみたいな気持ちになったんです。
――それが創設のきっかけに?
そうなりますね。異質な武器と言えば聞こえは悪くはないですけど、言ってしまえば王道から外れた変なヤツじゃないですか。「なんでアイドルでそれを?」だとか「わざわざアイドルである必要はないんじゃない」とかそういったを稀に言われることがあるんですけど、そういうのに対して「知らないのか? 彼女はすげーんだぞ」って知らしめたかったんですよ、「人のエモーショナルな部分、本気ってもんを浴びてみろ、そうすりゃわかるさ」っていうのを。

「今回ばかりはどうよすげーだろ俺の推しはって顔ができそうにない」

――新曲「スタートリップ」についてどう思いましたか。
いつもとは方向が違うなと思いましたね、メッセージの向かう方向、前2曲よりも深く刺さるというか、本体に切り込んでくる感じで。「流星群」や「プラリネ」は彼女自身のことを歌にしたメッセージって感じなんですけど、今回のは彼女自身のことと誰かに向けた想いが乗っているなって。今回のは彼女を通してこちら側へと入ってくるんじゃなくて、彼女から直に入ってくる感覚があるんですよね。
――というと?
自惚れなのは自覚してるんですけど、「もしかしてこれ俺のために歌っているんじゃ……?」みたいな(笑)。完全に勘違いなんですけど歌詞のいたるところに身に覚えがあるようなことが多いんですよ。聴く人によってそれぞれ違う部分でそういう取っ掛かりがある歌詞。おかげで今回ばかりはどうよすげーだろ俺の推しはって顔ができそうにないんですよね。前2曲はそんなこともなく誇らしげな顔ができたんですけど、今回ばかりはもう本当にやられちゃいますね。
――やられる?
説明するとめちゃくちゃ恥ずかしいんですけど、なんというか、しずしずと泣きながら曲が終わると彼女の名前を叫んであとは座り込んでぐったりしてる……みたいな。
――なるほど(笑)
いやー、ははは。みっともないことになりそうです(笑)。
――では最後に。あなたにとってジュリアというアイドルとはどういう存在ですか?
上手く言えないんですが、あえて言うのであれば憧れか、遠くで戦っている仲間みたいな存在ですね。彼女を見ていると自分も頑張らなきゃな、こうしちゃいられないなって気持ちになるんですよ。彼女にとって相応しくなりたいとかではなくて、負けてらんないな、みたいな。スポーツ漫画で言えば倒さなきゃいけない強豪校感じで、ある種ライバル的な側面もあるのかな? うまくまとまらないですけど、とにかくスゲーやつなんですよ。

取材・文=安宅純

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